ダートトライアルって何?


どういう競技なの?


車の競技です・・・・・知ってるって?

ダートトライアルとは、読んで字の如く「ダート(砂利道)の上で行われるタイムトライアル競技」と

いうことです。これと似たものに、ジムカーナと呼ばれる競技がありますが、これは、

舗装の上で行われる。タイムトライアル競技です。

俗に言う「レース」なの?


「レース」と「(タイム)トライアル」違いですが、「レース」の定義は、「2台以上の車が

同時に同じコースを走り、着順を争う競技」と言えるでしょう。これに対し、「トライアル」は

「1台の車が単独で走り、そのタイムを争う」ということになります。F1などの「レース」の

前に行われる予選と同じことです。


「ダートトライアル」は、正式には(JAFでは)「スラローム競技2種」と呼ばれます。

1種」がジムカーナで、ジムカーナ、ダートトライアルをひっくるめて「スピード行事競技」

と呼ばれます。が、こんな小難しいこと言っても解らないので、通称は「ダートラ」と呼ばれます。

で、実はこの競技、日本独特のもののようです。また、「ラリー」とよく間違われます。

2000年ノースアタックラリー(全日本 Copyright by AGMSC)


ちなみに、ラリーというのは、簡単に言うと、一般道を地図を頼りに移動して、その

途中にタイムトライアル区間(多くは閉鎖・占有された林道でスペシャルステージと呼ばれる)

が設定され、そこの速さと移動にかかった時間の正確さ(速さではありません)で争う競技です。

地図を見たり、時間の正確さを計算したり、タイムトライアル区間でのコース案内をしたり

するために、助手席に人(ナビゲーター、コドライバーとも呼ばれます)を乗せて、2人1組で

走ります。このラリーのスペシャルステージ区間の1つを抜き取って、争っているのが

ダートトライアルとなります。


どうすれば出場できるの?


世界の自動車競技は、FIAという機関が統括していますが、日本ではJAFがその機能を

代行しています。 競技会も、競技に出る人間も車も、JAFがコントロールしている

ことに(?)なっています。そのため、競技会に出場するためには、ライセンスが必要と

なります。国内競技においては、ダートトライアル、ジムカーナ、ラリーについては、

B級ライセンスが必要となります(レースについてはA級ライセンスが必要)。

あとは、車があれば基本的にはOKです。が、モータースポーツに危険は付き物。

「万が一」のための安全装備が最低限必要になります。車側では、ロールバーやシートベルト、

人間側では、ヘルメット、レーシングスーツ、グローブ、といったものが必要となります。

    



どういう車が走ってるの?


大きい車から小さい車まで走ってます。が、当然、これらを同じ土俵で勝負させるわけには

いきません。そこで、排気量や車両の改造度合いで、「クラス分け」を行います。

まず、大きく分けて、一番一般的なクラスのナンバー付き(公道を走れる)車両のAクラス、

続いて、市販車をベースに決められた範囲内で改造が認められているナンバーなしの改造車両の

Cクラス、そして車の形をしていれば、ほぼ、何をやってもOKという改造無制限のDクラスに

分けられます。AクラスとCクラスは、排気量で細分化されます。Aクラスを例に取ると・・・


A1クラス  〜1000ccまで (ダイハツストーリアX4、スズキアルトワークスなど)

A2クラス  〜1600ccまで (ホンダシビックTYPE-R 三菱ミラージュなど)

A3クラス  〜2500ccまで (旧型三菱ミラージュターボ、ホンダインテグラTYPE−Rなど)

A4クラス  〜2501cc以上 (三菱ランサーEVO、スバルインプレッサWRXなど)


    

<左>A1クラス ストーリア(713*1.4=998cc) <右>A3クラス ミラージュターボ(1600*1.4=2240cc)

    

<左>A4クラス ランサーEVO6(2000*1.4=2800cc) <右>C1クラス ミラ

Dクラス キャロッセインプレッサ

Copyright by AGMSC)

ここで、ポイントになるのが、エンジンのターボ有無です。同じ排気量で、ターボの有る無い

では、当然ターボ有りの方がパワーがあります。そのため、ターボ車への「ハンデ」として

ターボ車は排気量を1.4倍と見なす、という決まりがあります。仮に、トヨタスターレットターボ

などは、1300ccターボとなるため、クラス分け上の排気量は、1820ccとなり、A3クラスに

区分されるわけです。


大会の流れは?


まず、エントリーが大会の1週前ぐらいまでなので、エントリー用紙とエントリー料(¥1万強/1戦)を

送付します。つづいて、大会当日朝、会場へ行き受付後、車両の準備(車載しているものをおろす、

ゼッケンを張る、タイヤ交換するなど)を済ませ、車検(安全装備の確認など)を済ませると

「慣熟歩行」というものを行います。これは、当日走るコースを実際に歩いてみて、コース状態の

確認(コースレイアウト、路面状況など)を行います。ちなみに、コースレイアウトについては、

固定コースでない限りは、当日に発表されます。その後、ドライバーズミーティングと呼ばれる

参加者とオフィシャルの大会内容、諸注意の確認があり、その後、出走となります。出走は、

2ヒート行われ、どちらか良い方のタイムが成績となります。また、1ヒートと2ヒートの間で、再び

慣熟歩行が行われ、路面の変化状況等の確認を行います。2ヒート目の出走が完了した段階で

暫定順位が決まり、入賞車は再車検を受け、レギュレーション違反等が行われていなかったか、

が確認され、その後30分間、車両保管(車両に手をつけてはいけない状態)となり、その間に

抗議等がなければ、暫定結果が正式結果となります。全クラス正式結果確定後、表彰式で

ダートトライアルの1日は終わります。


 

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